第10話

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「信介、お父さんも噂には聞いたことがあるが、メイド喫茶というのは面白いのか?」 「あー面白くない、見て楽しむ場所だよ。もう忘れてくれ。秋雄と行ってみれば?」 空気読めと、ここでは言えないので、親父にビールを注いだ。 「そろそろ私達も座って良いかしら? 改めて、お刺身の舟盛とチラシ寿司よ~美味しそうでしょう? 絵恋さん手際が良くって助かっちゃった」 「こちらは豚肉たっぷりの酢豚と、豚のしょうが焼きですわ。お母様のお料理がとても美味しそうで、お腹が空きました! ふふっ」 同じ女とは思えない2人が、並んで料理を運んでくる。 様々な、食欲がそそる良い匂いがぷ~んと香った。1分、1秒でも早く口に入れたかった。 でもそんな食欲旺盛の俺が、1分の隙もなく、絵恋さんに隣に座って欲しかった。 ……これは恋?
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