第10話

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「絵恋さん、絵恋さん、早く座って! どんどん飲んで下さいよ」 ソファーを軽く叩き、誘導した。 「ありがとう信介さん、ちらし寿司をお取りしますね」 絵恋のグラスにワインを注ぎ、絵恋は俺にちらし寿司をよそって、手渡した。細い指に軽く触れる。 ――お、俺は今、し、幸せを感じたぞー! 「あら、信ちゃん。お母さんもワインを飲んでみようかしら。ちょっと注いでくれる?」 ――チッ。一瞬で気分がぶち壊しだ。 「秋雄。結婚式は、いつにしたんだ?」 「そうだった。早く結婚したいし、来週の日曜日にしようかと思うんだけど。友引だけど、親父良いだろう?」 「家の方は、いつでも構わないが、絵恋さんのご家族はどうなんだい?」
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