第10話

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「絵恋さん、この酢豚も美味しいから取ってあげる。じゃんじゃん食べて!」 「うん、美味しい! ありがとう」 絵恋が秋雄じゃなく、俺を見る。それだけで胸が高鳴り続けている。これは決して、動悸じゃない。 ――ああ、くそ! この2人の仲をぶち壊したい。 「本当に今日は、格別に美味しいなぁ~! 母さんの料理は最高だよ」 「貴方ったら、まぁ」 2人は顔を見合わせていた。 ――おいおい、そっちも薔薇色ムードかよ。気づいたら俺……1人ぼっち? 「ごめんなさい信介さん。私ったら、気が利かなくって……ワインをどうぞ」
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