第10話

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「ありがとう」 グッと一気に飲み干した。いつまでも、俺に気を使ってくれよ。絵恋さん…… 「式は秋雄に全て任せる。家の事は気にせんで良い。好きにやりなさい」 「サンキュー親父! そうだ高級ワインをもう一本買ってあるんだよ。飲む? お袋、冷蔵庫からシャトーを取ってきてくれよ」 「はいはい、グラスも用意するわね」 「げんきんだな、秋雄は。はははっ!」 ――先に出せよな? 腹が水分で、たるんたるんなんですけど。 ボトルから、ポンッと勢い良く音を奏で、飛び出したコルクからは良い香りが漂った。 「絵恋さん、俺……実は彼女がいないんですけど、彼氏がいないお友達――式に来たりしますか?」 「おいおい、信介。ちゃっかりしてるなぁ~」
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