第10話

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「早くこっちへ来て挨拶しろよ!」 ――う、うるせーな! 身を屈め、腰を低くしリビングへと足を運んだ。 「あ、あのう……こんにちわ。御免なさい、急いで帰って来たんですが間に合わなくって。……そのう、ちょっと着替えてきてから、挨拶をちゃんとしますね」 「はい! お気遣いなく。お待ちしておりますわ」 チラッと目を一瞬だけ合わせ、俺は急いで階段を駆け上がった。心臓がバクバクと跳ね上がる。 整った色白の笑みと透明感のあるソプラノ声が、頭の中で繰り返しリプレイされた。 嘘だろ?  ……超可愛いんですけど!!!! これはいかん! すぐにお洒落な格好をしなくては。あの分じゃ、お友達も絶対に可愛いはず!
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