第10話

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 好きなタイプを聞いておけば良かった……あっ、タイプは秋雄か。 そう思った途端、肩を下げ落胆した。 なんであいつばっかり良い思いを……許せないよな? 同じ兄弟なんだぜ? 世の中不公平すぎる! リュックを思わず投げようとしたが、貴重な道具が入っているのを思い出し、そっと畳の上に置いた。 こんな事をしてる場合では無い。彼女に気に入られるよう、この汗だくの服を着替えなくては。 シャツを素早く脱ぎ、畳を秋雄の顔面に見立て、投げつけた。上半身裸になった俺は、机の上にあるウエットティッシュを取り出し、脇の汗をただちに拭く。 ――ふぅ~冷たくて気持ちいい……って、感じている場合では無い! 秋雄はスーツにネクタイだよな。俺もじゃあ……ワイシャツでいっかなぁ? 後は髪型と、この笑顔でバッチリカバーさ。
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