第12話

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「調子悪いの? どれ、貸してみ?」 趙雲は電源を入れ、小型機を耳に当てた。ザァーザァーと流れる雑音を確認している。 「折りたたみ傘も貸してみなさいキョチョ。……チャンネル8・55。趙雲、そっちの受信機は合っているか?」 「うーん。合ってるな」 「でも、それ使って見たけれど、全然聞こえないんですよ!」 押し切られては困る。負けるものか! せめて、新しい商品を出しこい! 「ほら、ちょっとキョチョ。耳に当ててみて。親父、喋ってみろよ」 「あーあーあーあーキョチョ、聞こえますか~」 ――聞こえる! な、なんでだ!
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