10人が本棚に入れています
本棚に追加
「調子悪いの? どれ、貸してみ?」
趙雲は電源を入れ、小型機を耳に当てた。ザァーザァーと流れる雑音を確認している。
「折りたたみ傘も貸してみなさいキョチョ。……チャンネル8・55。趙雲、そっちの受信機は合っているか?」
「うーん。合ってるな」
「でも、それ使って見たけれど、全然聞こえないんですよ!」
押し切られては困る。負けるものか! せめて、新しい商品を出しこい!
「ほら、ちょっとキョチョ。耳に当ててみて。親父、喋ってみろよ」
「あーあーあーあーキョチョ、聞こえますか~」
――聞こえる! な、なんでだ!
最初のコメントを投稿しよう!