第12話

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 舞台上からチラチラと、何度も眼が合ったような気がした。 ――困るなぁ。苺がいなくなったら、すぐに色目かぁ~? 俺には絵恋さんもいるし……でも答えないと悪いよな。 思い切って手を振ってみた。ちゃんと分かっているよ! の意味を込める。 だが2曲目に入り、全然こちらを見なくなり、左、右と顔を向け、ゆったりしたダンスを繰り返していた。 なんだよ、気のせいだったのかな。じゃあいいや、もう行こうっと。俺、ファンじゃないし。 踵を返したが、背中に再度、鋭い視線を感じる。 ふと、立ち止まったが、気のせいだと思い直し、裏道の小道へと急いだ。
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