第12話

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 日陰の狭い道に入ると、少しだけ風通しも良く、先程よりは、いくらかマシになった。 この前は迷子になったけど、今度は大丈夫。目印は、カラフルな扇風機が並ぶ、電気屋の前さ。 あんなに高い買い物をしたんだ。使えないじゃ、洒落にならないからな。きっちり文句を言ってやらないと! 事と次第によっちゃ、あのド派手なピンクの扇を叩き折ってやるわ! 思い出したら、収まらない怒りが蘇ってきた。 ――絵恋の、絵恋さんの……あの声が聞こえたのにぃ! 店の入り口に立ち、悔しさのあまり大きな声で呼びかけた。 「こ、孔明さん! あ、あのう、いますか!」 反応無しか?
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