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薄暗い照明が至近距離に座る御陵会計を照らしている。病的なまでに青白い肌が、酷く魅力的に見える。
「……」
ふいに、端的な思考が、複雑な羅列を繰り返していく。
「…………」
天下の二年SSクラス。
風紀のトップ、藍沢委員長。
生徒会役員の御陵会計――。
「……っ」
カチリ、とパズルのように組み立てられていく思考。深く思考の海に沈み込んでいた俺は気付かなかった。
「「…………」」
俺が『委員長』『風紀』という言葉を口にした後、ゆっくりだが確実に“帝王と賢者”を取り巻く歪み始める空気の変化を。
「「「「きゃああぁぁああっ!」」」」
突如として悲鳴が上がった。
「何事だ」風紀委員長が眉をひそめる。
「あーあ、うるさいねぇホント」
御陵会計が片目を細めて髪を払う。
「あ……」
なぜ2SSが“天下の”という形容詞がつくのか、その理由はたったひとつだということを、今さら思い出していた。
「「「「「「「花開院様っ」」」」」」」
生徒会役員、――降臨。
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