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「……げ」
「朝の一発目の挨拶がそれか、奈央」
シャワーを浴びた魔王もとい我が家の大黒柱は完全夜型のせいか、朝は非常に機嫌が悪い。
「……」
グレーのスエット姿のヤツは、髪から滴り落ちる水滴をうざったそうにタオルで拭きながら、気怠い声を俺に投げつける。
「…………」
「……留美、水」
「はぁ~い!お水ね?」
「ああ、頼む」
横柄な態度でソファーに腰を下ろすと、銀縁の眼鏡を掛け新聞を読み出した。
いや。完全に父親だろ……コイツ。
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