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眼鏡を押し上げ、不機嫌そうに眉間に皺を形成しつつ顎で留美さんを呼ぶ。トコトコと駆け寄ってきた留美さんからグラスを受け取ると、リビングを後にする男前。
……仕事の電話かよ。助かった。
「で?何で優也は家に居るんだ」
「繁華街で夜遊びしてたら流さんに絡まれた」
テーブルに肘をついて、楽しそうに俺たちのやり取りを眺めていた優也の説明に納得した。
「悪い。激しく勘違いしてた」
「何を?」と聞かれたのと同時に、インターホンが来客を告げる。
……登校の時間か、早いな。
「優也、学校は?」
「あー今日はパス」
欠伸を噛み殺しながら伸びをするチャラ男を横目に、だろうなと思いながらネクタイを締め直した。
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