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二度寝から覚醒してリビングに戻ると、首を押さえて顔を歪め、俺の叔母さんと笑い合っている優也と目が合う。
「…………」
ヒラヒラと手を振ってへらりと笑う、その気楽さになんとなくイラッとした俺は心が狭いのだろうか。
「おはよ~奈央ちゃんっ!」
「おはよう。おば、留美さん?“ちゃん”は、いらないから」
「おは!奈央ちゃん」
「……優也なぜお前が家に居る?つか“ちゃん”とかまじいらねえから。いますぐ滅してやろうか」
「こわい」と笑いながらコーヒーとトーストをモリモリ食しているチャラ男な優也に呆れた目線だけ送った俺は冷蔵庫内を物色する。
「――――」
牛乳パックを見つけ直飲みしていると、いかがわしい視線を感じた。
「なに」
「いやなんか奈央ってエロ「なんだ?」……それ以上身長伸ばしてどうすんの?」
「最強のセンターに俺はなる」
高校一年にして187cmあれば充分(バスケ部的に)という声もあるにはあるのだが俺の中学からのライバル(バスケ部です)はすでに190を越えた。
……負けてられっかよ。
「海賊オマージュくそわろた」
どうやら優也の笑いのツボを押したらしい。が、もちろんそこはスルーしておいた。
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