第13話

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 スーパーのイメージカラーはグリーンだった。壁面やプライス、レジの彩り、あちらこちらに緑色が使われていた。 ――全然韓国風ではないな? どこにでもある店って感じだ。 入り口に踏み込んで右側には、レジが5つほど並んでいる。窓際には、白のビニール袋に食品を詰め込んでいる主婦達がちらほらと居た。 轟って珍しい苗字だし、一文字だから、分かりやすそうだな。 レジを打つ、アルバイト達の名札を確認しようと、買い物を終えた主婦達の背後を、よそよしそしく歩いた。 ――妻の年齢は34歳。というと、真ん中の3人が怪しい。端の2人は学生のように、若い女の子だもんな……。 やましい胸の高鳴りを抑え、横を素通りしていった。怪しまれないよう、1人づつチラ見をしていく。
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