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「もう伸びちゃってるわね……片付けないと――痛たたた!」
ソファーから腰を上げようとした睦美は、顔を歪め腰をまた下ろした。
「俺が運びます。座ってて下さい。打撲かなぁ?」
「ご、ごめんなさい……大丈夫、ラーメンを食べるから。お恥ずかしながら家には、食べ物がなくって――調味料は揃っているんですけどね。笑える話じゃないわよね」
睦美は肩を指先を、プルプルと震わせた。
この人は、いつもこんな感じで、プライドを傷つけられて来たのかな……。
「ある物でなにか作りましょうか? ちょっと台所をお借りしますね。布巾で痛めた場所をちゃんと冷やして下さいね」
「そ、そんな見ず知らずの人に悪いわ……それに家には、昨日の残りの御飯が釜に少しと、ラーメンに入れる卵くらいしかないの」
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