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「秋雄のことは興味がないからどうでもいいよ。絵恋さんの話なら聴くよ」
チャンネルをコロコロ変えて見るが、それらしきニュースは流れていなかった。
睦美さんは形だけでも、警察に捜査依頼を提出するだろう。愛人は愕然とし妻を疑うかも知れない。
大金を貢いだ相手が消えたんだ。そっちも必死なこと必須。でも……やはり用意周到。見つかるまでには時間が掛かるのかな。
「信ちゃん。絵恋さんに手を出したら駄目よ。秋雄ちゃんの大事な人なんだから……トーストも焼けたわよ」
「それ、部屋で食べる。ご馳走様! 凄く美味しかったよ。お袋の鋭い味覚には関心するよ。俺もその感覚が身についているんだ」
椅子を引き立ち上がった。お皿を軽々と持ち上げ、にっこりと笑顔を作る。
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