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「終わっ…たーっ」
そう叫びながら俺、八谷 楓(はちや かえで)はベッドにダイブした。
「あとは大丈夫かい?」
「あ、大丈夫でーす。」
開けたままのドアから管理人さんの声が聞こえた。
俺はベッドから飛び起きて管理人さんに頭を下げた。
「…ふーっ、」
再びベッドに横になる。
仰向けになって頭の先に視線を向けた。
まだカーテンの取り付けていない窓から空を見上げる。
本棚やハンガー、トイレットペーパーなんかの生活用品も適当に置いたままで
ただ、充実感と興奮に包まれていた。
204号室
それが俺がこれから生活していく部屋。
ガタガタと隣の部屋が騒がしくなる。
「?」
俺と同じように入ってきた新入生だろうか。
「れーん。…、おい蓮ってばーっ。」
その声にベッドから起き上がりドアが見えるように部屋から廊下を覗く。
短髪の男子と目が合った。
「あれ?蓮じゃない?」
その男子は俺を見据えながら首を傾げ、なんで?なんて自問していた。
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