崩れた日常

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ピピピピピ。 私の朝は『5分前』からスタートする。 携帯のアラームを止めてまたセットをし直した。 この5分もの二度寝が私にとって至福の一時をもたらすのだ。 我ながら安い幸せ。 酷い寝癖を立たせて寝惚け顔のままリビングに行くと既に姉が朝食を食べているところであった。 私と違って寝起きの格好でもなければ枝毛一つ見当たらないサラサラの髪。 今日も一段と完璧だな。 「理紗、おはよう」 「おはようお姉ちゃん」 言いながら、クワッと大口開けて欠伸をした。 ダメだ、全体的に女としてこの姉に負けてる。
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