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「あっちの方は何?」
先ほど賑わっていたもう一方。
お店のようなものが並んだ一角を指差す。
人々は食べ物を買ったり、ゲームをしたりしているようであった。
「あ、屋台だね。見てみる?」
こくり、と頷く。
兄に手を引かれて屋台とやらが並ぶ通りの入り口にたどり着いた。
楽しそうな人々のざわざわという声、店の人たちの呼び声。
「お、長月の嬢ちゃんか、珍しいねえ」
『しゃてき』とかかれた屋台の人がわたしに気づいて声を掛ける。
父さんと同じくらいの歳だろうか?
屋台にいる人々の中では比較的若めな印象を受ける。
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