土の章 祭の夜

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わたしは一度だけ、その屋台に目をやったあと、お面を抱えて、少し離れて待っていた兄さんと母さんの元へとかけあしで向かう。 幸い、二人のいる前には屋台もないので人が少なく、すぐにたどり着くことができた。 「珠莉さん、お面きにいったの?」 わたしは兄さんを軽く見上げ、そしてちょっと考えたあと頷く。 兄さんはそっか…と呟くといつもより嬉しそうな笑みをみせた。
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