思い

2/3

17人が本棚に入れています
本棚に追加
/59ページ
あれから、3ヵ月が経った。 お世話になった先輩方は半月前に卒業して、私は、今までと同じ生活をしていた。 「…だ。お…ろ、…だ。起きろ、野田恵夏!!」 「は、はい」 ヤバい。私、いつの間にか寝ちゃってたらしい。 「恵夏、今の話聞いてた?」 「ゴメン、毬ちゃん。聞いてなかった。」 彼女は、生徒会副会長の加藤毬(かとうまり)。 会長より仕事熱心。 普段は、結構優しい。 「寝てもいいから、定例会終わってからにして!!」 「ごめんなさい。」 「ともかく、生徒会の人手が足りないから、来年度は、頑張って増やそう!!」 『は~い。』 「今日の定例会はこれでおしまい。お疲れ様でした。」 やっと終わった。 やっと帰れる。 「あれ、野田ちゃんもう帰るの?」 話かけてきたのは、生徒会書記の周防蓮(すおうれん)。 彼女は、私と同じ中学校からきた友達。 「うん。定例会終わったし、やることないでしょ?」 「まぁね。」 「んじゃ、帰る。」 「たまには、部活に顔出せよ。」 彼は、国江智(くにえさとし)。 生徒会広報兼部活の部長をしている。 「でも、もうしばらく帰れないと思うよ。」 「なんで?」
/59ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加