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あれから、3ヵ月が経った。
お世話になった先輩方は半月前に卒業して、私は、今までと同じ生活をしていた。
「…だ。お…ろ、…だ。起きろ、野田恵夏!!」
「は、はい」
ヤバい。私、いつの間にか寝ちゃってたらしい。
「恵夏、今の話聞いてた?」
「ゴメン、毬ちゃん。聞いてなかった。」
彼女は、生徒会副会長の加藤毬(かとうまり)。
会長より仕事熱心。
普段は、結構優しい。
「寝てもいいから、定例会終わってからにして!!」
「ごめんなさい。」
「ともかく、生徒会の人手が足りないから、来年度は、頑張って増やそう!!」
『は~い。』
「今日の定例会はこれでおしまい。お疲れ様でした。」
やっと終わった。
やっと帰れる。
「あれ、野田ちゃんもう帰るの?」
話かけてきたのは、生徒会書記の周防蓮(すおうれん)。
彼女は、私と同じ中学校からきた友達。
「うん。定例会終わったし、やることないでしょ?」
「まぁね。」
「んじゃ、帰る。」
「たまには、部活に顔出せよ。」
彼は、国江智(くにえさとし)。
生徒会広報兼部活の部長をしている。
「でも、もうしばらく帰れないと思うよ。」
「なんで?」
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