始まり

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ねぇ、なんでそんな目を向けるの? 僕、なにもしてないのに。 助けて 悪い子でごめんなさい “僕”の叫び声が頭の中で反響する。 何故だ。 何故急に、この事を、思い出した。 今まで、こんな事、ほとんどなかったのに。 「何もするな、考えるな、思い出すな……ッ!」  ・ ・ ・ ・ ・ ・ あんな昔の事はもう捨てた。 だから気にする事じゃない あれはただの夢だ!! ………暫くすると、頭痛もなくなり、立てるようになった。 何度か深呼吸をし、落ち着きを取り戻すと、妙に疲れてしまった。           ・ ・ ああ、…きっとこんな過去を思い出したのも、あの人間の所為だ。 今日はもう、何もしないで静かに過ごす事にしよう。 ふう、と溜息を吐き、菓子を片づけ、私は自分の城に戻った―――
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