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そんな目を見ると、胸がとても苦しくなって、…私の中の何かが弾けた。
「そうやって私を騙すのだろう!?
そして化け物呼ばわりする私を、限界まで、限界を超えてまで利用して、最後は殺す!
化け物を始末したと、周りの人間は喜ぶ!動かない私を嘲笑って、石を投げて!
それが人間だ!
私は人間の僕でも家畜でも何でもないッ!!!
私は、私はッ………!!!」
もう言葉にならなかった。
言いたい事も山程あるが、…口からは空気しか出なかった。
「僕は違うよ」
優しく、話しかけるような口調だった。
「ッ…嘘ばかり…ッ放っておけッ!もう二度と来るな、出てゆけッ!」
ぜえぜえと息をして、呼吸を整える。
言い切ってそいつの顔を見ると、…とても形容し難い顔をしていた。
笑っているけれど、とても辛そうな、…けれどもすっきりしたような、そんな顔で。
「…君は化け物じゃないよ。
だって凄く綺麗なんだから。」
さよなら、と言って門を飛び越えて出て行った。
………恐らくもう来ないだろう。
「…これでいい。」
だいぶ気持ちも落ち着いて呟いた私の声は、震えていた。
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