始まり

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そんな時があれば私がする行動は一つ。 「………無視、だな。」 そうだ。 それがいい、そうしよう。 第一結界を抜けたら城の中という訳でもない。 城の扉はあるが、人が入れないようにいつも閉じているのだから城に入る事は不可能だ。 一人でうんうんと頷き、そいつを無視して風呂に入りに行った。 ****************** 一時間ほどして風呂から上がった私は、窓から、先ほどの男がいないか確認する。 「……………いない。」 …まぁ分かっていた事だ。 逆にずっとあそこに居る方が変なのだ。 …大体誰だあいつは、あんな朝から叫んで、結界をすりぬけて。 というか朝からあんな大声で叫ぶなどんだけ元気なんだ。有り得ない。 そして礼儀というものを知らないのか。ちょっと考えて欲しいものだな。 まぁあんな人間の事などどうでもいいのだが、少々常識というものが抜けているようだな。 まだ若いようだし今からでもミッチリ仕込まねばならんだろ。 …………。 ………あ、れ? いつの間にかブツブツと先ほどの人間の文句を言っている自分に驚いた。 「……あの変な奴などただの人間だ。 特別気にする事はなかろう。 明日には忘れる。」 声に出して強く、そう言った。 あいつなど気に留めていない。 さあ、風呂にも入った事だ。 庭に行き、本を持って読書をしにでも行こうではないか。 気分転換にと、本を持って庭に出た。
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