始まり

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「…だから何だ。私は獣だ。人ではない」 「へえ~。いや、特に意味はないよ? でも君とても綺麗だよね。」 「はあ? お前の言う事はいまいち理解出来ん。 それに人間に綺麗と言われたくないな」 「…そ、そっか…。」 あからさまに気を落とす姿を見ていると、罪悪感が滲み出てくる。 …これは、謝った方が良いのか。 だが人間に謝るなどしたくない。 …「悪かったな馬鹿者」とでも言おうか…言わないか…。 そう考えてから、 「………もう出て行け。 用が済んだのだろう?私はここで一人で読書をするのだ。 邪魔をするな、私は人間が嫌いなんだ。 さっさと出て行け。 鬱陶しい。」 ………謝るどころか、暴言を吐いてしまった。 「…そう、だね。 そうするよ。 …朝から邪魔して、…ごめんね。」 笑っていたけど、その笑顔は寂しそうで、少し傷付いていた。 当たり前だ。私がそうしてしまったのだから。 「……ぁ……」 何か言おうと口を開くも、言葉にはならない。 そうしてそいつはよいしょっと言い、ジャンプでをして壁を飛び越えていった。 奴の身体能力の高さは嘘じゃなかった、とポツリと私は呟いた。
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