0人が本棚に入れています
本棚に追加
光「なぁ、始業式の後のテストってさすがにダルいよなぁ。」
時はさかのぼる事約3年前、僕らは学校帰りの夜道を歩きながら帰っていた。
影津「うん、そうだね。その後も部活なんだから参っちゃうよ。」
僕ら3人はみんな幼なじみで美術部で帰りは必ず一緒になって帰る。コンビニによったりカラオケに行ったりしている。
杏里「ねぇ、今日はどこかよるの?」
光「そうだな、ゲーセン行ってみるか。」
影津「光、僕はあまりお金を持ってないんだけど。」
光「んー、少しくらいなら金貸すからいこーぜ。」
影津「ん。それなら。」
僕達はいつも通りに遊んでいつも通りに帰ろうとしてた。そう、いつも通りに。
光「いやー、凄かったー。影津ったらクレーンゲームで何でも取りやがるんだからよ。」
影津「あれにはちょっとコツがあってね。今度教えるよ。」
光「そっか。」
俺は家に帰っている時間、手があいているのがなんか気になり、16得ツールの糸通しを出したり引っ込めたりしていた。
杏里「ねぇ、あそこに人が倒れてない?」
街灯がチカチカする中、そこには人影が倒れているシルエットが浮かび上がった。
光「どーせ酔っぱらいだろ?気にする事ねえって。」
影津「でも、おかしいよ、何か普通じゃない。」
光「そ、そうか?ちょっと近くまで行ってみるか。」
僕達はシルエットのすぐそばまで来た。次第にそのシルエットは確かに、そして鮮明に見て取れるようになった。
光「な、なんだよ、これ…」
そこにはいくつもの銃弾で撃ち抜かれた死体が転がっていた。
杏里「い、いやぁーーー!!」
影津「け、警察に電話しないと。えーと089だっけ?」
光「影津落ち着け。警察は189だろうが。」
影津「そ、そうだっけ。」
光「と、とりあえず大人を呼んでこないと…」
ずっ…ずっ…
靴が地面を擦る音が道の奥から聞こえてきた。
光「あの服は警察みたいだな、よかった。あ、すみません。ここに男性の人が倒れてて…」
顔は見えないが、そんな声が聞こえないような場所ではない筈なのになぜか返事がない。
光「あの、すみませ…」
それは街灯の光によって照らされた。そう、残念な事実が。
光「え?」
それは首から大量の出血をしながら目は死んだ魚のような目をしている警察官の服を着て動く、死者の姿だった。
影津「はは…そうか、ゾンビか、なるほど…はは。」
最初のコメントを投稿しよう!