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「救護班、湿布を用意してくれ。ああ、総理が机の角にかかとを打ち付けてしまわれた。至急頼む」
「ちょっとちょっとちょっとぉ!
出雲、何その言い方! ボクちんが間抜けみたいに聞こえるだろ!? もっと何か他に言い方が無いのか!」
「ありのままを伝えたまでです。何、疑問に思う人間がいましたら、たまたま部屋に入り込んだ小バエを始末するために華麗にかかと落としを放った結果の負傷だと申し上げましょう」
「何かかっこいいんだかやっぱり馬鹿なんだか分からないような言い方だな。
……まあいい。そんなことよりだな、ボクちんはそろそろプランGに着手しようと思うんだ」
「……プランGですか」
部屋の中に現れた救護係から湿布を受け取る出雲。
相変わらず机の上に放り出されている蒼牙の足先に近付き、腫れている方のかかとを持ち上げた。
白くすべすべした蒼牙のかかと。
そこに、丁寧に湿布を貼っていく。
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