1、ボクちゃま至上主義

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「ケーケケケケケケケケケケ!!!!  ちょろいちょろい!! 愚民共の心を掌握するなど、赤子の手を捻るより簡単だよ!  しっかし、さっきの書店はいかんなぁ。窓に貼られていたボクちんのポスター、一枚シワがよっていたよ。もっと丁寧に、ピーンと張ってくれなくちゃ。教育的指導が必要かな。  出雲(いずも)」 「はっ」 「あの書店、爆破しといて」 「は?」 「爆破、ばーくーは。ちゃんとしないとこは要らないのっ。みんなに愛されているボクちんのポスターにシワを入れたんだよ? 許されないでしょっ」  黒革の椅子に深々と腰かけたまま、蒼牙は秘書の出雲純之助(いずも じゅんのすけ)を睨み上げた。 「お言葉ですが総理、あの書店は街中ですので、爆破したらテロ事件として疑われてしまいます」 「だから?」 「総理が逮捕されてしまいます」
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