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「もう絵恋ったら。先に私の手口を喋ってどうするのよ? 七姫です。宜しくね!」
軽く斜めに会釈した七姫は、ぽってり唇で、てかり輝いたグロスが印象的だった。
彼氏がいる割にはシルバーに金色の刺繍の模様が入ったチャイナドレスのスリットが、セクシーで誘っているようにも見えた。
「で、こちらが赤風信子(あかかぜ・のぶこ)。彼女も今はフリーだけど傷心したばかりなの。優しくしてあげてね」
「そうなんですか……宜しくお願いします」
彼女は赤いドレスに黒髪を上に纏め、首筋がセクシーだった。
なによりも結婚式とは似つかわしくない、陰りを見せた表情、虚ろな視線。
有沙より、彼女のほうが寧ろ気になった。
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