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「宜しくね」
彼女の言葉は冷たさが混じっていた。まだ彼のことを忘れられずにいるんだろうか?
「信介さん。今日は沢山食べて飲んでね! 有沙を気にかけてあげてよね!」
「いいよー絵恋。信介に悪いでしょう? 昔からお節介なんだから。たくっ! あ、信介。シャンパン3人分を取って来て」
有沙は海老のパイ包みを口内に放り込んでいた。口がぱさつき、飲み物が欲しいんだろう。
このタイプと付き合ったら尻にしかれそう。かかあ天下になりそうな人だな。
「早く! 信介!」
「ああ、はい。すぐに取ってまいります!」
すれ違い様、信子の横顔をチラリと見た。
綺麗な顔……こっちの人と少し話しをしてみたいな。
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