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「そこのボーイさん。それ、悪いけど全部頂戴! お盆ごと」
「え! あ、はい。どうぞ」
黒服の男からお盆ごと酒を取り上げ、急いで有沙の立つテーブルへと運んだ。
「有沙さん。お好きなモノをどうぞ」
「信介! ワオ! あんた、気が利くね」
えへへと照れ笑いを浮かべたが、どうしてもチラチラと信子の方を見てしまっていた。
「えーれん」
「秋雄さん!」
「一通り落ち着いたところで、こいつらがどーしても紹介しろしろって、うるさくってさ」
秋雄の友人?
おいおいおい連れて来るなよ! そういうのは個人プレーでやれよな! 紹介は俺だけのはずだったのに!
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