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携帯が手の平から滑り、芝生の上にドサッと落ちた。
こ、これって……信子さんは死んだってこと? う、嘘だ! 今ここで笑顔を交わしていたのに?
待ってって言ったじゃないか! 逃げないでって言ったのに――嘘つき!
信子の最後の笑顔が脳裏に蘇る。
「だ、誰か、う、嘘だと言ってくれー! わあああああああああああ!!!!」
涙腺が崩壊し大量に涙が溢れ出した。俯き、落ちた携帯を見るが視界がぼやけ、雫が滴るだけだった。
指先が小刻みに揺れ携帯に届かない。
これからだったのに、一から出直そうと語り合う所だったのに……なぜ――。
「うーそ」
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