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「おそらく…浴室からそう遠くない場所で、殺したんだわ。運ぶときに、どうしても目立つから。」
私は爪を噛む。考える時の癖なのだ。
「浴室に誘い込んで殺したのかも。」
鳥澤の意見も無視出来ないが、私が風間なら、理由もなく浴室へは行かないだろう。
必ず相手を警戒するはずだ。
「ここは…物置かしら?」
鍵の開いている部屋を片っ端から開ける。
元々は何の部屋かは分からないが、ほとんどが収納スペースとして利用されているようだ。
「ねぇ、三神。ここは見なくていいの?」
階段の裏側のドア。
普通なら、物置として使う場所。
しかし、私の鼓動が高なる。
…もしかすると?
「…ああ、いたいた!三神さん、鳥澤さん!!」
ドアノブに手を伸ばそうとした瞬間。
場違いな明るい声が響く。
…カトリーヌだ。
「管理人さんに聞きましたよ!風間さん、殺されたんですって!?」
「そ、そうよ。カトリーヌさんは何か知らないかしら?」
私は無意識に手を引っ込めた。
「食堂に集まれって言われたわ。早く行きましょう?…あたし?あたしは部屋にいたから全然気がつかなかったわ!」
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