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食堂には、まだ蒼白な顔をした芦原と、石山、それから、なぜか制服の少年がいた。
「芦原さん、落ち着いた?」
私は彼女の伏し目がちな目をのぞきこむ。
「ありがと。私…ショックで。どうしても目に焼き付いて離れないの…。」
芦原は頭を抱え込む。
デリケートなくせに、血生臭い事件を面白可笑しく掘り起こそうとするから、こんな目に遭うのだ。
…もう、遅いかもしれないのに。
落ち込んでいる暇はないのだ。彼女だって、すでにゲームに巻き込まれているかもしれない。
戦うしかないんだ、悪意のある人間と。
「鳥澤さん…あの人が殺されたって、じゃあ本当なんですね!?」
意外にも、石山という子は強い。
「私、思うんです。…この中に犯人がいるんじゃないかって!!」
前言撤回。…単に空気が読めないだけか。
ほら見ろ。…部屋の中に一瞬にして緊張が走る。
「あら、外部の人間かも知れませんよ?よくあるでしょう。刑務所を逃げ出した殺人鬼が山の中に逃げ込んで、身を潜めてるって…ああ、テレビがあればねぇ!」
カトリーヌは見かけによらず、なかなか冷静だ。
「管理人さん、ラジオならあるって言ってましたよね!?」
石山が元気よく立ち上がる。
「何か情報が聞けるかも!!」
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