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事の発端は学校から帰ってきた帰宅後だった。
両親は共働きのために家に帰ってくるのは俺が一番なのだが、玄関に入ると俺は靴箱に置いてある荷物に目がつく。
「お、姉貴からだ」
送り主を確認してみれば俺の姉貴である新垣友恵(アラガキトモエ)からだった。
ちなみに俺の名前は新垣裕太(アラガキユウタ)だ。
簡潔に自己紹介するならば、高校二年生で帰宅部、以上。
話を戻そう。姉貴は俺の二歳年上で、現在は進学せずにボランティア活動のために世界各国を旅している。
そんな姉貴から荷物が届くのは珍しいことではない。
近況報告で電話を掛けてきたり滞在している国のお土産を贈ってくれることは多々ある。
俺は早速それを開けようと荷物を持ってリビングに向かう。
ソファーに腰掛けたところで俺は荷物を開封する。
すると、中に入っていたのはーーランプだった。ランプの形としてはアラビアンナイトの一編で出てくる魔法のランプのような形だった。
とくにピックアップするような特徴はなく、銀を基調とした物で、周りにデザインなどは一切見られない。
シンプルに尽きる。
それとなく、ランプの中身を見てみようと蓋を開けてみる俺だったが、これがいけなかった。
些細な、蓋を開けるだけの行動ではあったが、それが今後の俺の人生の生死を分ける出来事だったなんて、この時の俺は知る由もなかった。
「……えっ!?」
開けた瞬間、俺は不意を突かれ、思わず声を上げた。
蓋を開けて驚きの仕掛けが発動するなんてビックリ箱くらいの物だろうと思っていたが故に俺は蓋を開けて起きた出来事に対し、驚きを隠せなかった。
いや、そもそもお土産に何か仕掛けられているなんて誰も思わないだろう。
まさか姉貴も遠い異国の地でビックリの仕掛けにかかったことを想像しながら笑っているわけでもあるまい。
だいたい、姉貴にそんな趣味は一切ない。
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