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「それに、主様が私に色々と、色んな意味で優しくしてくれるのなら願い事を叶える手伝いをしないでもないんですよ?」
「誰がお前に優しくなんてするかよ」
即答。
考える余地もない。
「えっ、もしかして主様は生粋のドエスなのですか?だったら私、激しいのも甘んじて受けますけど」
何言ってるんだ、こいつ。まるで話が噛み合っていない。勝手に脱線して妄想に花咲せていやがる。
「てゆうか、お前ホントに呪いなんてかけたのかよ」
「魔法です」
俺の嫌みを速攻、訂正するエリーゼ。それよりも魔法をかける前と後で、とくに俺に変化は訪れなかったわけで、エリーゼの発言にどこまで信憑性があるのか気になるところだった。
「魔法はしっかりかけましたよ。別に信じないのならいいのですよ。でしたら主様は時が経てば死ぬだけなのですから」
エリーゼの言葉は酷く冷たく、他人事のような物言いだった。
いやまぁ、他人なのだけど。
「……っ。てゆうかそもそもタイムリミットって何時までなんだよ」
「一年です」
あっさりと余命を告げられた。たったの一年だと。
認めたくはないが確かに俺は内気で消極的な奴だった。だからこそエリーゼに天使と付き合えるようにと願ったのだ。
そんな俺がたった一年で天使と付き合わなければいけないなんて、絶対に無理だろ!
そんな短い期間でアプローチをかけ続けてしまったら天使は俺の想いがあからさまに見えてしまうだろう。
そんな大胆不敵さは俺の性格にそぐわないし、何より下手すればクラスの皆にも俺の想いが露見してしまう。
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