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「何ね、達也・・・。おいを『イタリー』に連れてってくれるとね。」
ばあちゃんは、俺の手を握りしめながら、めったに使わないお国言葉で俺に言った。
俺の、ばあちゃんは、1927年・・・?日本では昭和?大正?生まれのイタリア人女性とのハーフで、容姿端麗、頭脳明晰、ダンスも上手い、運動神経抜群の74歳だ。
自治会の役員や、PTAの役員に、民生委員etc・・・。
地域の活動にも貢献し、無料で英会話教室までやる。(しかも、意外と受講者が多い。)
そして、近所の悪ガキには「雷ババア」と、恐れられる町内の有名人だ。
でも、半年前にじいちゃんが他界して、その後すぐに癌が発覚し、手術をすれば治るかも知れないのに、この世に未練がないのか手術を頑なに拒否して、原書の「ダンテ」を読みふける毎日だった。
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