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しかし、ホンの1ヵ月前に外務省から届いた小包を見てから、何と言うのか、生に対する欲求と言うのか、鬼気迫るものを感じていた。
俺は、多少照れながら、ばあちゃんに言った。
「ま、暇だし、それに・・・、俺は初めて聞いたぜ?ばあちゃん、イタリアの学校に行ってたんだって?」
ばあちゃんは、俺の言葉にゆっくりと目を閉じて言った。
「そうだよ。私はねえ、『イタリア社会主義共和国』・・・通称『サロ共和国』の女学校に通っていたのよ。
武官をしていた父が、転勤になったので卒業はしていないのだけれど・・・。」
そして、目を開けて続けて言った。
「戦争が終わって、60年以上たった今、これが送られてきたの・・・。」
ばあちゃんは、ゆっくりと立ち上がると、仏壇の下から本の様な物を取り出して俺に見せた。
それは、アルバムだった。
手製の、そまつなボール紙に色紙を張り付けた・・・、そして、表紙に書かれた手書きのアルファベット。
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