第1話

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秋口とは言え、まだまだ日差しの強い昼過ぎに、俺とばあちゃんは、ローマからミラノ経由でサロに到着した。 空港で、タクシーを拾うと、定宿となる『緑のナポリタン』という、日本人が経営するホテルに到着した。 ホテルに着くと、支配人の福寿氏が直々に出迎えしてくれて、ベルボーイが部屋まで案内してくれた。   「はあ・・・。」 俺は部屋に入った瞬間ため息をついた。部屋が悪いのかって?違うさ。 窓からは、美しい『ガルダ湖』が一望の元に眺められ、部屋の中も文句のつけようがないくらいだったよ。 でもね・・・ばあちゃんが浅草で買いまくったお友達への土産・・・。 事前に航空便で送られていた・・・40箱以上の段ボール箱が、「でん」と部屋のスペースの半分近くを占めている有様を見ると何故か、涙が出た・・・。 決して感動の涙じゃあないぞ。
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