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ラース「元の世界に帰れる保証がある訳でも無いのに?」
「それでも!……それでも、私には……うっ……」
と、うつ向いてしまった獣人の女の子。その直後、肩を震わせて声を押し殺しながら泣き出した
俺と魔王さん、ザグレブはただ見ていることだけしか出来ず、流石のサリエさんも茶菓子を摘まんでいた手を獣人の女の子の肩に添えて擦っていた。けど…
サリエさん………
茶菓子のカスがついた手で肩を擦っているから、カスがポロポロ落ちてるよ
しんみり感が台無しだよ…
「うっ…うぐっ……わだじ、奴隷に…なっで……じらない…ひっぐ…おどごに……おがざれで……イヤがっだ…ら……う、うっ……殴られ…だり、げら…れ…だり……ズズッ……何度も…死に…だいど思っだ……げど……ううっ…ママど…やぐぞぐ…じ…だがら!……う、うあ゛あ゛あ゛ぁぁぁあああ!!」
心の中にあった何かがとれたみたいで、俺達に自分の奴隷になってからの経緯を号泣しながらも話してくれた。肩を擦っていたサリエさんがそっと自分の方に引き寄せて、抱きしめながら頭を撫でていた。まるで、我が子のように…
サタン&ザグレブ「……………」
お二人さんがどうにかしてって顔で此方を見ているよ…
…
…
…
…はぁ~~~~~
ラース「《世界に刻まれし無慈悲な時間(とき)よ、我、対価を以て逆らわん事を。『歪んだ砂時計』》」
サタン「それは……」
俺が呪文を唱えると、獣人の女の子の頭上に白い装飾が施された砂時計が出現する
白い砂時計が半回転すると、中の白砂が下にサラサラと落ち始める。すると
「……!わだじのがらだが!!」
獣人の女の子が淡い白い光に包まれる
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