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だから、演技をする。人にどう見られようが関係がない。
どこからどうみても優しくていい奴だと、そう見られるために。
我ながらここまで続けてきて、俳優業を負えるぐらいにはなっただろうという自負があるくらいだ。
え?どうしてそんなことをしてるかって?
それこそ、俺に聞いちゃならない質問だ。
なぜなら、俺にこれを課したのは、世界だから。
俺が知る、世界だから。
その世界が俺を、こうさせた。こんな糞野郎にさせたんだ。
だからな。俺は言うんだ。
「ありがとう」って。
それこそ、それ以上もそれ以下もない「ありがとう」だ。
その意味を、このくだらない物語を通じてもしも理解することができたなら、まだ幸運な方だと俺は思うぜ。
俺にとってのありがとう。それは。
それは世界。それは宇宙。それは……。
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