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「これから佐伯と打合せですか?」
裕子と布施を交互に見ながらそう尋ねた編集長に、
「いえ、今日はプライベートです。
後日、改めてご挨拶に伺うつもりなんですが、この度、彼女と結婚することになりました。
今後ともどうかよろしくお願いします」
そう言って頭を下げた布施に、編集長はおろかその場にいたすべての人間が言葉も出ないほどに仰天し、目と口を大きく開いた。
何より当の裕子が一番驚いていた。
「それじゃあ行こうか。
付き合って欲しいところがあるんだ」
「あ……はい。
それじゃあ、お疲れさまです」
二人は皆に会釈をして、そのままオフィスを出て行った。
二人の姿が見えなくなった後、オフィスに残ったスタッフ達は顔を見合わせ、
「何あれ、どういうこと?」
「誰か、このこと知ってた人いる?」
「誰よ、若くて綺麗な女の子しか相手にしないとか言った奴!」
とエキサイトし、ギャアギャアと声を上げていた。
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