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カーテンの隙間から差し込む朝日を神聖な気持ちで眺めることができた。
気持ち良さそうに眠る布施を起こさぬよう、そっとベッドを降りてバスルームでシャワーを浴びた。
勝手に冷蔵庫を使用してもいいという許可をもらっていたことを思い出し、躊躇しつつも冷蔵庫を開けて、中にあるもので簡単な朝食を作り、ラップをしてテーブルの上に並べておいた。
勝手なことして怒られちゃうかな?
そんなことを思いながら、そっと家を出ると、キラキラと輝くような朝日が目に眩しいほどだった。
少しも寝ていなかったが、不思議なことに体は疲れていなかった。
興奮状態……ううん、光悦状態なのかしらね。
これが恋のパワー?
アドレナリンのなせる業なのかもしれない。
恋のパワーだなんて、裕子はクスリと笑って颯爽と歩き出した。
街のウィンドウに映る自分の姿は、今までの自分とは別人だった。
本当に清々しくて気持ちがいい。
裕子はまるで生まれ変わったような気分の中、職場へと向かった。
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