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「今まで散々、私を押し倒しておいて緊張だなんてよく言うわね」
呆れたように腕を組んだ亜美に、薫は弱ったように頭をかいた。
「今までは押し倒しながらも、お前が俺をぶん投げることを心のどこかで予想してたんだよ。
今は投げられることもなさそうだし、本当にそうなるかもしれないと、思ったら、なんか急に……緊張して来て」
「私だって緊張してたのに、それ以上に緊張されたら拍子抜けだわ」
亜美はそう言って呆れたように息をついた後、クスクス笑った。
「でも、そんな薫が好き」
「えっ?」
薫は驚いたように目を開いて、亜美を見た。
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