【旋 律】後編 第十三章

11/31
前へ
/31ページ
次へ
  「私の周りにいる多くの人は私が薫と付き合っているのは、薫の外見がカッコイイからだと思っているの。 でも違うの。 あなたの素敵なところは、そのままなのよ。 とても自然体なのよ。子供みたいに真っ直ぐなのよ。 そんなところがとても好きなの。安心するの」 「亜美……」 「薫とだから私もこのままの私でいられるのよ。 なにも飾らない、無理も背伸びもしない自分でいられるの」 そう言って笑みを見せた亜美に、薫はもう抑え切れないかのように強く抱き締めた。 「亜美、俺こそお前が大好きだ。 強くて優しくて可愛くて真っ直ぐで、お前みたいな彼女がいるって俺の誇りだよ。 世界中の人間に自慢したいくらいだ。俺 の彼女は最高の女だって」 「……薫」 薫の腕の中で、亜美は目に涙を浮かべた。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1285人が本棚に入れています
本棚に追加