【旋 律】後編 第十三章

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  「亜美」 薫はそっと亜美の手を引いて、ゆっくりとキスをした。 「薫……私も怖いよ。 あなたは得体が知れないものを飼っているし」 「得体は知れてるよ」 思わず笑った薫に、亜美は頬を赤らめた。 「う、うん、そうなんだけど。とにかく怖いのよ。 でも、がんばるわ」 不安げに見上げる亜美に、薫はコクリと頷いて、もう一度抱き締めた。 「亜美は小さいな。こんなに小さい」 薫は亜美の背中に手を回しながら、そう言った。 「薫は大きいね」 2人は、ふふっ、と笑った。  
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