1285人が本棚に入れています
本棚に追加
もう一度キスをし、亜美は薫を見上げて、柔らかく微笑んだ。
女の子は皆、こういう思いをして、大人になっていくのかな?
好きな人に、身を委ねる。
当たり前なようで、簡単なようで、本当に凄いことだと思う。
私はずっと、自分が恋に落ちるのを待っていた。
恋に落ちた相手に、すべてを委ねてもいいと思っていた。
でも、そんな簡単なものではなくて、紆余曲折しながらも、互いを探りあい、想いを深めて、相手を心から欲するようになる。
私も薫もまだまだ未成熟な子供。
これから色々なことを経験し、豊かな人間となって行く。
例え、すぐ近くにいられない時期があっても、あなたと生きていけるって信じてる。
……薫、私はあなたが大好きよ。
亜美は薫の背中に手を回し、胸に頬を埋めながら、噛み締めるようにそう思った。
最初のコメントを投稿しよう!