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「だから、薫だけ行って、買ってきてよ!私はここで待ってるから」
スーパーの前で亜美は真っ赤な顔で、薫の身体をグイグイと押した。
「別に避妊具買うくらい、変なことじゃないだし、一緒に行こうぜ」
笑いながらそう言う薫に、
「な、何言ってんのよ、それを持って二人並んでレジに出すの?
それって『これから私たちはそういうことをします』ってそこら中の人に触れ回るようなものじゃない!」
と亜美はムキになったように声を上げた。
「いいじゃんか、俺は大声で叫んだっていいよ。『これから愛し合います!』ってよ」
「ばか!」
「すっげぇ、大好きな子で俺は幸せ者ですって」
そう言って屈託のない笑みを見せた薫に、亜美はカーッと頬を赤らめて照れたように目をそらした。
「……ばか」
2人は顔を見合わせて、そっと手をつなぎ一緒にスーパーに入った。
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