【旋 律】後編 第十三章

27/31
前へ
/31ページ
次へ
    「よーし、さっさと打合せをしてしまうとするか! 皆、第一会議室に集まって」 編集長はそう言い、手をパンッと叩き、皆は資料を手に会議室へ向かった。 「急遽、打合せになったのは巻末の特集がスポンサーの都合で掲載できなくなり、大急ぎで、他の企画を立ち上げなければならなくなった……ということは、既に伝えてあるよな。 それでは宿題にしていた皆の企画を伝えてもらいたい」 編集長はデスクにつくなりボリボリと頭をかきながらそう言って、自分の一番近くに座る男性社員に目を向けた。 「僕は女性対象の人間ドッグの特集を企画しました」 と資料を元に自分の企画をプレゼンした。 手掛けている雑誌は三十代の地位とお金のあるキャリアウーマンを対象にした割と真面目な情報雑誌だった。 「それじゃあ、佐伯君」 自分の番になり、裕子は「はい」と頷いた。  
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1284人が本棚に入れています
本棚に追加