【旋 律】後編 第十三章

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. ――――…… 亜美と薫は交代でシャワーを浴び、二階の寝室のベッドに腰を掛け天窓から夜空を見上げていた。 「寝室に天窓があるって素敵。 寝ながら星を見れるって最高だよね」 緊張を隠すように明るい声でそう告げた亜美に、薫は俯き黙りこくっていた。 何を黙り込んでいるんだろう? と顔を覗くと、薫は顔面を蒼白させて、額に汗を滲ませていた。 「薫、どうしたの?」 「わ、悪ぃ、なんか急に……緊張して」 「はあ?」 「手足に震えが来るんだ、マジ、やばい」 薫はそう言って「ほら」と震える自分の手を見せた。  
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