第1話

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長男善行の小学校2-3年生のときの短歌で綴る物語 「予知夢」の主人公である善行の思い出を短歌で語る 自転車のクラブに入る選択を自ら決めてサイクリングへ 「お父さん、お母さん僕明日サイクリングへ行くよ」 突然の宣言にびっくりして 「おまえ、自転車がないだろう」 というと 「自転車屋のおばさんが貸してくれるって」 「どこまで行くの」 「種子島へ行くらしいよ」 「種子島はフェリーで行くんだよ、遠いんだよ大丈夫かよ」 {自転車屋のおばさんがみんな面倒みてくれるから心配ないって」 誰にでも懐く子ではあるが何時の間に自転車屋の主人と知り合ったのだろう。親さえ行った事の無いのに勇気というか無鉄砲さにはあっけに取られ反対する気持ちもでなかった。 担任の給与明細見た息子先生になる希望を抱く 担任の先生のところへ遊びに行ってたまたま先生の給与明細をみたらしい。 おこずかいに100円しか貰えないのに先生は沢山お金が貰えることを知り将来は絶対先生になると決めたという。 その夢は適えた。 「お父さんに早くなりたい」との理由「お刺身が多く食べれるから」 食いしん坊な子だった。親の膳をみて同じでないと不満をいうのだ 刺身も同じにやっても結局は残すのに。 留守中に買い食いしない約束を破れば罰の家に入れず 隣は小さなお店があったのでお父さんたちが留守の間に買い食いをしない約束をしていた。ところがその日はアイスクリームを2回兄妹で食べていたのがバレた。約束を破った罰として家をだされた。道行く人が「どうしたの、陽がくれるよ、お家に入りなさい」と言うのが聞こえたが、「謝るまでは入れるな」と家に入れなかった。 この事が善行が死んでから非常に胸の痛むこととなる。 配達にいっしょに行けば家の中見回し菓子をみれば動かず 内職の配達に行くと決まって付いてきた。玄関口から台所の方を見てお菓子を見るとじぃとくれるまで見ている、奥さんが、はいはいともってくると「ありがとう」と言ってさぁと車へ乗り込むのである。 終いには私の方が恥ずかしくなり一人で配達に行くようになった。 名に恥じぬ人に育たん願いから厳しく諭すその名善行 善行が心筋梗塞で急逝して今年11月24日で10年忌を迎える 転勤族で家に居なかったからまだ何処かの学校で子供たちを教えているような気がしてならない。 完
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